【S16使用構築】憧火ザシアンミミッキュ【最終7位】
S16お疲れ様でした!
<戦績>
TN AtsukoKagari:最終7位 / 76勝29敗
TN ぐみ・〜・:最終19位 / 86勝33敗
めでたい!!
<並び>
<構築経緯>
第7世代以前は、「高い打点の先制技やS上昇の積み技を用いて、削った相手を上から縛る」戦法を好んで使用していたのですが、第8世代ではダイマックスの登場によって「上から縛る」状況を作り上げるのが段違いに難しくなってしまいました。
そこで、ダイマックス込みで対面のポケモンを縛ることができるザシアンなら自分が得意とする立ち回りを実現できるのではないかと期待して、ザシアンから構築をスタートすることとしました。
また、竜王戦当時からザシアンへのメタとしてメタモンが有効であると専らの評判だったため、
「メタモンにコピーされた際に相手の+2巨獣斬を耐えることができれば、立ち回りの幅が広がるのではないか?」
というアイデアを思いつき、調整はそれに準ずることとしました。
相手のポケモンをザシアンの圏内まで押し込むための要素として「ステルスロック」は必須であると考え、
2体目にはラグラージを採用。
カバルドンもまた魅力的な選択肢ではあったのですが、高速エースと相性の良い「クイックターン」を覚える点、及びメタモンにザシアンをコピーされて「巨獣斬」を押された際にタイプを盾にいなせる点が好きだったのでこちらにしました。
ラグザシアン@1で選出するポケモンに求める条件が、
①ダイマックス適性が高い
②ザシアンの弱点である地面の一貫を切ることができる
③ザシアンより先に出しても後に出しても強い
であり、環境最上位ポケモンであるサンダーがこれらに文句なしに該当したため採用。
一旦ここまでを構築の軸として、以下の通り纏めました。
@朽ちた剣 耐久振り:巨獣斬/じゃれつく/電光石火/自由枠
@アッキ HBベース:放電/暴風/羽休め/バトンタッチ
ザシアンは専用技及び耐久振りと相性が良いタイマン性能重視の石火持ち、ラグラージはザシアンが苦手なHBサンダーを余裕もってステロ欠伸で流すためにHDベース、サンダーはラグと緩やかなサイクルを回すためHB・ダイマが切れた後、相手のダイジェットや積み技に合わせてザシアンを展開できるバトン持ち。
4体目についてですが、先述した「+2巨獣斬を耐えることでメタモンを切り返す」アイデアがザシアン単体(=巨獣斬+石火)では成り立たなかったため、ザシアンの攻撃と合わせてメタモンを縛ることができ、ザシアンと相性が良い先制技持ちのポケモンを探すことにしました。
その結果辿り着いたのがミミッキュ。
一見範囲が被っているようにも見える2体ですが、ザシアンがカバルドンや霊獣ランドロスを無理矢理削ることができるほどのAを持っているため物理集中の動きができ、ダイマ+巨獣斬半減タイプでザシアンを押し切ってくるポケモン(サンダー等)に対してもザシアンの削り+剣舞影打ちで切り返せることから、相性は上々と考えました。
また、ラグラージによるステロ欠伸との組み合わせが無難に強いことも採用を後押ししました。
(実際に使ってみたところ、ザシアン+剣舞ミミッキュの組み合わせが当初の軸を凌ぐレベルで好感触だったため、採用したのが4番目であるにも関わらず構築名の一翼を担うことになりました)
残り2体は次の通り選択しました。
・軸3体が苦手な日食ネクロズマ、ホウオウ、ラキヌオー絡みの受け回しに強い鉢巻霊獣ランドロス
・速い剣舞持ちザシアンの増加により相性不利になったザシアンミラーへの回答として眠カゴヒートロトム
<個体紹介>
ザシアン@朽ちた剣
特性:不撓の剣
性格:意地っ張り
実数値(努力値):199(252)-213(28)-141(44)-*-154(148)-173(36)
巨獣斬/じゃれつく/電光石火/インファイト
技構成は以下の順で決めました。
巨獣斬:ザシアンをザシアンたらしめる技なので確定
じゃれつく:サンダー、カイオーガ、ゼクロム等、鋼技を半減してくるポケモンに通す技として採用
電光石火:単体としてのリーチを伸ばす技として採用。他ポケモンの削りと連携して対面を倒す動きにも使います。
インファイト:選出によっては重めになってしまう(ザシアンラグミミッキュ等)ナットレイへの明確な打点として採用。日食ネクロズマに取れる最大打点としても重宝しました。
○Aライン
ステロ+巨獣斬(1↑)でH201*2B115イベルタル(ダイマ状態)を確定
ステロ+巨獣斬(1↑)+石火(1↑)でH155メタモン(変身対象:ザシアン)を確定
⇧ステロ+巨獣斬(1↑)で62.5%、巨獣斬(1↑)+石火(1↑)で60.54%で落ちる
じゃれつく(1↑)+石火(1↑)でH175B110カイオーガを確定
巨獣斬(1↑)でH175B100黒バドレックスを確定1発
巨獣斬(1↑)でH196B156霊獣ランドをオボン込みで乱数3発(91.4%)
インファ(1↑)でH173B147日食ネクロズマを確定2発(98ダメージ〜)(目安)
○B方面ライン
メタモン(変身対象:ザシアン)の巨獣斬(2↑)が超低乱数1発(6.2%)
A165霊獣ランドのD地震が低乱数1発(12.5%)
○D方面ライン
C202カイオーガの雨下潮吹き(威力150)を確定耐え
C238珠黒バドレックスのDアストラルビット+ステロダメージ1回が乱数(12.5%)(目安)
○Sライン
AもBもこれ以上伸ばすと調整が崩れ、Dは十分確保できているため余りを全て回しました。
準速エースバーン抜き抜き
伝説枠。
圏内まで押し込みさえすればダイマ権を残されていてもお構いなしに叩っきれるのがあまりにストレスフリーな1体でした。また、今回B方面・D方面ともに厚く伸ばしているため、物理特殊アタッカー双方に対して「一旦居座る」動きができる点も強かったです。かつてのメガメタグロスを彷彿とさせる感じの硬さ。
ただ、上から2割・3割の怯みを押し付けていたメガメタグロスと異なって、上から押し付ける技の追加効果が控えめかつ命中不安であったり、静電気サンダーに触れざるを得ない機会があまりに多すぎたり等、運勝ちより運負けを誘うタイプのポケモンであることを痛感するシーンがあまりにも多かったです。その点を差し引いてもなお使う価値があるほど強い、とも言えますが。
ラグラージ@オボンのみ
特性:湿り気
性格:生意気
実数値(努力値):207(252)-130(0)-116(44)-*-150(212)-58(0) ※S個体値0
クイックターン/欠伸/ステルスロック:ここまではラグラージの採用理由と直結するため迷いなく採用
地震:一致技......というよりかは居座りながら殴るための技としての意味合いが強い。
○B方面ライン
A142頑丈顎ウオノラゴンのえらがみが超低乱数1発(6.2%)
メタモン(変身対象:ザシアン)の巨獣斬(2↑)をオボン込みで確定3発
○D方面ライン
C202カイオーガの雨下潮吹き(威力150)を確定耐え
C145サンダーの暴風2回+D暴風をオボン込みで確定耐え
ステロ枠。激流で使っていた時にレジエレキに3回ほど爆発されたので特性は甘えないようにしましょう。
突然の草技で昇天しないように基本は後発から繰り出していきます。
突然のラム持ちで壊滅するのも欠伸使いあるあるだと思うのですが、今回の構築ではラムっぽい相手に対して迷わずクイックターンを選択してザシアンを後投げすることを徹底したお陰で、約200試合中そのあるあるにぶち当たることは一度もありませんでした。ここでもダイマックスによる強行突破を許さないザシアンの性能が活きていたように思われます。
ザシアンが誘うHBサンダーが全員ラグとの対面でとりあえず暴風を押してきたため、ステロ→欠伸→クイックターンミミッキュ投げと動くようにしていました。この動きで相手を壊滅状態まで追い込んだ試合が数知れずあり、居座りにも引きにも対応できる後攻対面操作の強さを改めて(n回目)実感しました。
サンダー@アッキのみ
特性:静電気
性格:図太い
実数値(努力値):191(204)-*-148(236)-146(4)-111(4)-128(60)
放電/暴風/羽休め/バトンタッチ
暴風/羽休め:ダイジェット媒体の皮を被った極悪技と最強技。
放電:他の電気技を採用することで確定数が変わる仮想敵が思いつかず、威力の差よりも追加効果+特性による運で拾う試合の方が多いと判断したため。硬い分試行回数も多め。
バトンタッチ:構築経緯でも触れた通り、後続のザシアンに攻撃の流れを繋ぐため採用。
○B方面ライン
1↑時:A244ザシアンのじゃれつく(1↑)が乱数2発(16%)
メタモン(変身対象:ザシアン)の巨獣斬(2↑)が超低乱数2発(0.3%)
同上のじゃれつくが確定2発
○Sライン
1↑時:最速エースバーン+4
ちょっとSを伸ばしておくことで、相手のHBサンダーとのS関係が分かりやすくなって良い感じでした。
一般枠覇権ポケモン。第7世代老人会的にはこのポケモンがここまで多いことに未だに違和感を覚えます。
覇権なだけあって、ゼクロムやBWキュレム等「サンダーに強い伝説」として評価を受けている伝説ポケモンが一定数環境に存在しており、それらに対してダイマ権消費後の逃げバトンが痛烈に刺さるのが気持ち良い1体でした。
使用感については大きな不満はありませんでした(剣舞ザシアンの増加が向かい風だったことくらい)が、逆に大きな手応えを感じていたわけでもなかったため、この枠についてはまだ検討の余地があると考えてます。HSベースで良い感じの型使いたいな〜とか妄想したこと自体はあったのですが、考えるだけの時間が無かったので来季以降の自分ないし誰かにぶん投げ。
ミミッキュ@命の珠
特性:化けの皮
性格:意地っ張り
実数値(努力値):131(4)-156(252)-100(0)-*-125(0)-148(252)
※スタンダードな構成なので技構成については割愛
○Aライン(陽気と比較して乱数がずれるものを記載)
Dダイブ(2↑)でH197B150サンダーを確定1発
じゃれつくでH165B121ウオノラゴンを確定1発
第7世代老人会的にはまぁまぁ思い入れがあるポケモン。
はじめは90族が多い伝説に対してのゲームメイクが楽そうな陽気最速で使用していたのですが、「意地の打点があれば勝ってた」という試合が一夜で2試合あった日があり、以降は意地っ張りで貫き通しました。結果としてはこの変更が大正解でした。
構築経緯で触れた通り、ザシアンとの相性がばっちりで本当に強かったです。ただ強かった以外の感想があまり無いから強かったことを強調することくらいしかここで書くことがない。
強いて書くとすれば、ザシアンで相手のサンダーにダイマを切らせてミミッキュの剣舞影打ちで縛る動きは、伝説無しルールで一定数存在した「カミツルギの剣舞ギガインパクト+ミミッキュ」を彷彿とさせました。世代やルールこそ違えど、強い動きには共通項があったりするのがポケモンの面白いところだと思っています。
霊獣ランドロス@拘り鉢巻
特性:威嚇
性格:意地っ張り
実数値(努力値):191(212)-216(252)-111(4)-*-102(12)-115(28)
地震:ノーリスク威力100の一致技。持ち物込みでヌオーに強烈なダメージが入ります。
空を飛ぶ:ダイジェット媒体として採用。受け回しに対して「ラグ+ザシアン+ランド」と選出することが多かったことから、ダイマ適性を持たせるべきと判断しました。
馬鹿力:ダイナックル媒体として採用。「ヌオー+水ロトム」や「ヌオー+イベルタル」の並びに一貫する点も強かったです。
ストーンエッジ:ハイリスク威力100の不一致技。ただ当たれば1↑時にダイマ状態の珠サンダーを落とすほどの火力を叩き出せるのでリターンも大きいと踏んで採用。
○Aライン
特化
地震でH202B150ヌオーを確定2発(123~145ダメージ)(目安)
馬鹿力でH202B150天然ヌオーを超高乱数2発(94.1%)
○B方面ライン
メタモン(変身対象:ザシアン)の巨獣斬(1↑)が超低乱数1発(6.2%)
○D方面ライン
C197眼鏡ムゲンダイナのダイマックス砲が超低乱数1発(6.2%)
○Sライン
1↑時:こちらのザシアン抜かれ
額に巻いた鉢巻が似合う崩し枠。
崩し運用だけに留まらずスタンダードな構築に対しても一切汎用性を落とさず選出できるのがこのポケモンの最も強いところで、何度もパーティーの窮地を救ってくれました。ザシアンが苦手な伝説に強い点も好感触。
ダイマ適性も想像以上に高く、ジェットやナックルをばら撒いてダイマを切らした後に、相手の後続のダイマまでぶち抜いてしまうことが数試合ありました。
ヒートロトム@カゴのみ
特性:浮遊
性格:控えめ
実数値(努力値):157(252)-*-128(4)-154(116)-137(76)-114(60)
オーバーヒート/放電/悪巧み/眠る
オバヒ:最高火力の一致技を抜く理由がないため確定。エフェクトが映えてて可愛い。
悪巧み:これも採用理由に直結するため確定。カバのオボンに触れないための技として有効。
眠る:サンダーに対して巧み→眠ると動くのが凄く強い。
放電:居座りながら殴りたい(=ボルチェンは無し)+確定数が変わる相手が思いつかなかったためこちらで。
○Cライン
11n
Dオバヒ(2↑)でH215D111カバルドン(控えめ珠サンダーのD暴風確定耐え調整)を確定1発
オバヒ(2↑)でH197D111サンダーを確定1発
放電でH157D163ドヒドイデを確定2発(ヘドロ回復×2込みでも87.5%の高乱数)
○B方面ライン
A244ザシアンのインファイト(1↑)を確定耐え
○D方面ライン
C177珠サンダーのD暴風が確定3発
○Sライン
余り
1↑時に最速100族を抜けるラインが実数値112以上であるため、それより少し高めにSを設定すると得する場面があるかもしれないと考えての実数値114。
1↑時:こちらのザシアン抜かれ
カバザシサンダーを1体でぶち抜くことができる最強の電化製品。
サンダーの珠ダイジェットを2耐えするので対面悪巧み安定。カバ対面は悪巧み押したりダイバーン押したり。
最終日1日前に「チョッキソラビエンテイ......お前いけるのか......?」とぼやきながら明らかに勝算の無いダメ計を叩くほどにミラー対策に迷っていたところ、最終日の夕食時に突如頭に舞い降りてきてくれました。環境的向かい風で5割くらいに落ち込んでいたミラーの勝率を体感7割強くらいまでぶち上げてくれたので刺さりは上々でした。ここまでの5体で重いことは分かっていたものの割り切っていたリザードンに強く、ザシアンが苦手な日食ネクロズマやホウオウに対しての選出択も増えたため、本当に最終日参戦したポケモンかこいつ?ってレベルで構築に噛み合っていました。
タイプ相性的な問題でラグザシサンダーには選出を躊躇ってしまい、結果当たる度に惨敗していました......が、ザシアンで相手のラグを削らせてもらえる試合が殆どだったので勇気を持って出せていれば拾えてた試合もあったのかもしれない。これも来季以降の自分ないし誰かにぶん投げ。
<選出パターン>
◯VS
①ヒトムで押し切るかザシミミで畳みかけるかのどちらかをまず考えて、
②両方とも難しそうであればサンダー主体の選出。
◯VS
ザシミミ@1。
最終的に個体数が多かったのかどうかよくわかりませんでしたが、珠オーガは基本とってもしんどいです。
◯VS(ほぼ受け回し絡みの構築でしか見かけなかったのでまとめて)
基本ザシアンランド@1。ステロと対面操作で崩しに参加できるラグを出すパターンが一番多かったです。
伝説枠には強いもののヌオーで止まるザシアンを基本的に選出しているのは、ガラルヒヒダルマの一貫を切る必要性に迫られる試合が多かったため。
◯VS
どのポケモンも選出可能です。
伝説相性こそ不利ですが、ミミランドが7分くらい、ヒトムが4分くらいで殴り合えることからあまり苦労しませんでした。
◯VS
ザシミミ@1。影打ちケアのダイサイコ読みでダイホロウを撃つ択を常に意識して立ち回る。
シーズン中盤までは比喩抜きで勝率100%だったのですが、終盤以降は耐久振り相手に苦戦する試合が多くなり、最終的な勝率はちょっと落ちてしまいました。ここは課題点。
◯VS
ザシアンをちらつかせてバドレックスを引かせてから、後続の相手ポケモンを始点にミミヒトムで崩しに行く立ち回りを心がけていました。
想像の35億倍くらい硬いため、ランドで崩しに行った試合は逆にサイクル負けしてしまう可能性が大。
<参考記事>
鉢巻霊獣ランドロスは、こちらの記事を拝見して採用に踏み切りました。
※リンク無断のため、問題があれば削除いたします。
<あとがたり>
久し振りに結果を残せてとても嬉しいです。1戦1戦を大事に消化することの大切さが身に染みたシーズンでした。
急遽採用したヒートロトムが奇跡的な噛み合いだった等、構築においても実戦においても偶然に助けられたシーズンだったとも感じているため、これからも引き続き「慢心することなくのんびり、自分の好きな時に楽しむ」スタンスを大事にしていこうと思います。
<Special Thanks>
・2ヶ月間、同軸を一緒に煮詰めてくださったラムネハヅキ(@RamuniumZ)さん(記事)
・最終日応援してくださった皆さん